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3.11取材報告:石のスープ

フリーランスのライターやジャーナリストがお届けする有料メールマガジン「石のスープ」。東日本大震災の取材報告を中心に、バラバラのフリーランサー達が集まって一つの媒体と作ると、どんな味に仕上がるでしょうか……

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西村仁美【とりあえず行ってみる】vol.5「原点に帰る」 



週刊 石のスープ
定期号[2012年1月12日号/通巻No.22]

今号の執筆担当:西村仁美




■挨拶をかける

 数年前に私は『「ユタ」の黄金言葉』(東邦出版刊)という本を書いた。同書は奄美や沖縄のシャーマンたちに取材し、その自然観、世界観を描いたものだ。
 シャーマンは、普段私たちの「目に見えない世界」を、見たり感じたりすることができる。自然の中の神や、亡くなった者の存在に触れ、そうした存在を自分自身に憑依させ、時に脱魂させ、そうした存在と交わり、そうした存在に触れることのできない私たちとをつなぐ役目を果たす。
 その取材中、同書で紹介する一人、糸数ナビィさん(旧姓)からこんなことを教わったことがある。それは、そのような私たちの「目に見えない世界」に対しても、「目に見える世界」同様、挨拶するものだということだった。
 例えば、人の家に用があって行く。すると家の内側に向かって何の言葉もかけず、いきなり玄関の戸をあけ、その人の家の中にズカズカと入っていく人はまずいない。「こんにちは〜」とか「すみませ〜ん」とか声をかけるだろう。家の中から「どちら様で?」とか聞かれたら、「隣近所に済んでいる〇〇です」とかなんとか言って身分を明かすものだ。「見えない世界」でもそういった礼儀作法をするものなのだという。
 糸数さんは沖縄の久高島出身なのだが、たしかこれから久高島での同行取材をさせてもらう時にそんな話になったと思う。久高島では、まず港の近くに石碑があり、そこに島の「門番」がいるため、そこで自分の住所、名前、島に来た目的を伝え、挨拶をしてから島の中に入って行くよう勧められた。

 久高島は、沖縄本島の東側に位置する周囲約8キロの小さな島で、人口は256人(2011年12月末日)。那覇市からバスとフェリーで約1時間半で辿り着く。沖縄で「神の島」と呼ばれ、天からアマミキヨという神が最初に久高島に降り立ち、国づくりを始めたという言い伝えがある。またこの島では、女は神人(カミンチュ)、男は海人(ウミンチュ)であり、神女(タマガエー)として女たちが神職者に就くのに「イザイホー」という儀式が12年に一度ある。イザイホーをするには一定の条件があるのだが、今はその条件を満たせる人がいないため、しばらく行われていない。私自身は、こうしたことなどから久高島は沖縄の人々の精神文化の要を担っている場所だととらえている。
 そんな久高島で生まれ育った糸数さんが冒頭で紹介する「挨拶」の話をしてくれたのは大変興味深いことだった。私はその話を聞いた時、「たしかにそうだよなあ〜」と素直に思った。だって「目に見える世界」でやっていることを「目に見えない世界」でやらない手はないだろう。やったっていいと思った。

 そう思えたのはやはり同書の取材のため沖縄に半年間ほど、それ以前には別件で奄美に1年ほど滞在できたことがベースにはあると思う。人々の暮らしの中に亡くなった祖先や自然神などを敬い尊ぶ生活習慣や祭りがそこにあったからではないかと思う。その後も糸数さんを取材で追いかけていると、彼女はいつもいろんな所に行ってはこうした「挨拶」を繰り返していた。


※この後の記事(小見出しのみ紹介)
■念願の韓国の聖山・摩尼山へ行く
■行けるところまで行ってみると……
■奄美、沖縄、そして韓国


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摩仁山の頂上にて。
手前左が香炉と著者の西村。
背後にあるのが、塹星壇(チャムソンダン)。


【奄美や沖縄のシャーマンに興味がある方にお勧め番組と動画】

市民メディア「Our Planet-TV」
「ユタの黄金言葉って何だろう?」
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/212

筆者の西村自ら出演、撮影、監督、編集した『「ユタ」の黄金言葉』のCM
http://www.youtube.com/watch?v=JVsanvJjohs




■西村仁美 記事掲載
韓国情報誌『スッカラ』3月号

韓国関連の情報誌『スッカラ』3月号(2012年1月21日発売予定)の「コリアン リンクス」のコーナーの写真、記事を担当しています。
見出しは、「夢は、障がい者たちのオペラハウスでの公演とパン屋さん」
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西村仁美 にしむら・ひとみ
1968年、東京生まれ。フリーターをしながらアジアを放浪。のち、ルポライター兼フォトグラファーに転身。主に野宿生活者<や少年>に関わる社会問題、を中心に取材。奄美や沖縄、韓国のシャーマンの自然観や世界観、チベットの精神文化などにも関心があり、取材ジャンルの幅を近年さらに広げつつある。
著書に『悔 野宿生活者の死と少年たちの十字架』(現代書館刊)『「ユタ」の黄金言葉』(東邦出版刊)『格安!B級快適生活術』(共著/ちくま文庫)など。
[Twitter] @ruri_kakesu
[ブログ] おきなわ★ねじ式ラジオ



■発行元:「週刊 石のスープ」編集部

■文責:渋井哲也・西村仁美・
    三宅勝久・渡部真
■編集:渡部真

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■メアド: sdp.snmw(あっとまーく)gmail.com
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